電気代の高騰や補助金制度の拡充をきっかけに、「そろそろ太陽光を導入したい」と考えるご家庭が増えています。
しかし、屋根の形状や築年数、条件などによっては「思ったより発電しない」「設置が難しい」ケースも少なくありません。
せっかく初期費用をかけて導入するなら、“自宅に本当に合っているか”を見極めることが大切です。
この記事では、設置前に確認すべき5つのチェックポイントを解説します。
「うちって太陽光向いている?」と気になっている方は、ぜひ参考にしてください。
太陽光発電は「設置費用」と「発電効率」費用対効果のバランスがカギ

太陽光発電は「設置すれば必ず得をする」わけではありません。
導入コストや売電価格だけに注目してしまうと、思ったほどの発電量が得られず、結果的に損をしてしまうこともあります。発電効率は屋根の形や方角、日照条件などによって大きく変わります。
つまり、「どんな家でも同じ結果にはならない」ということ。まずは、自宅が“発電効率の出やすい条件”を満たしているかを確認しておくことが、後悔しない第一歩です。
①屋根の形・傾斜角・面積・方角【発電効率を左右するポイント】

太陽光発電で最も重要なのが、「どれだけ日光を効率よく受けられるか」。
その発電効率を左右するのが、屋根の形・広さ・向き・角度です。
屋根の方角
- 南向き:◎ 最も効率的で理想的
- 東・西向き:◯ 南向きに比べ約80〜90%程度の発電量
- 北向き:△ 発電量は約60〜70%まで低下します。また、近隣住宅への反射(光害)リスクもあるため要検討。 ただし、近年は北面専用パネルも登場しており、条件によっては設置できるケースもあります。
屋根の傾斜角度
太陽光パネルの発電量は、30度前後の傾斜が最も効率的とされています。
傾斜が緩すぎる・急すぎる場合は、発電効率が下がるため注意が必要です。
屋根の形状

- 片流れ屋根:◯設置面積が広く、面積的には問題なし
- 切妻屋根:◯ 1日を通して発電のバランスが良い。ただ、南北方向の場合は南面がどれくらいあるかがポイント
- 寄棟屋根:△ 屋根面が4方向に分かれ、パネル枚数が制限される場合あり
- 陸屋根:△ 架台で角度をつける必要があり、コストが増える
- 複雑・内傾屋根:× 傾斜や形状により設置不可の場合あり
屋根材の種類

- スレート:築10年以上なら塗装や補修をしてからの設置がおすすめ
- ガルバリウム:屋根に穴を開けない「キャッチ工法」で設置可能
- 瓦:設置可能
- コンクリート・折半:対応できないメーカーもあるため要確認
②影の影響を確認【マンションや山の近くは要注意】

太陽光発電にとって“影”は最大の敵です。近くに背の高いマンションや木、山などがあると、日射が遮られて発電量が減少します。
設置前には、「どの時間帯にどの程度影がかかるか」をシミュレーションしておくことが大切です。
影の影響を最小限にするレイアウトを業者と相談しましょう。
③築年数【築20年以上は注意】

築20年以上の住宅では、屋根の強度や防水性能が低下していることがあります。
太陽光パネルの設置に耐えられない場合もあるため、設置前に屋根診断を行い、必要に応じて補修や葺き替えを同時に行うのが安心です。
④設置できない・注意が必要な地域条件を知る

地域の環境によっては、メーカー保証が適用されない場合や、特別な対策が必要なケースがあります。
海が近い場合(塩害対策が必要)
潮風による塩害で金属部品が腐食しやすく、保証対象外になることがあります。
海から500m以内にお住まいの方は、“塩害地域対応”などの専用品を選びましょう。
線路が近い場合(鉄粉汚れに注意)
線路沿いでは、ブレーキ時に出る鉄粉がパネルに付着して金属部品が錆びることがあります。
目安として、線路から30m以上離れていれば比較的安心です。
豪雪地帯(積雪による発電低下)
積雪が2mを超える地域では、雪がパネルを覆ってしまい、冬季は発電が一時的にできなくなります。そのため、日中でも発電が止まり、昼間も電力会社から電気を買う必要が生じます。
また、雪の重みによる架台への負担も大きくなるため、購入時は耐雪仕様の架台を選ぶことが大切です。
一方で、「雪が降るから太陽光パネルは向いていない」と諦めている方も多いですが、実は短期間の積雪であれば発電量にはそれほど影響がない場合もあります。また、太陽光パネルは寒さよりも暑さに弱い傾向にあるため、積雪地域の方が夏場の発電量が見込めるケースも考えられます。
晴れ間がある日や傾斜がある屋根では、冬季でも発電するケースが多く、積雪1m以下の地域なら問題なく設置可能です。
⑤家族構成と電気使用量で最適な容量を決めよう

太陽光パネルの容量(kW)は、家族構成や生活スタイルによって最適なサイズが異なります。
1日の電気の使い方を把握しよう
昼間に在宅している家庭は、発電した電気をそのまま自家消費できるため、電気代削減効果が高くなります。
昼間に在宅していない家庭は、発電した電気をたっぷり蓄電池にためて使うことで、日が落ちてからも自家消費できます。
それぞれの使い方や電気プランでもメリットは大きく変わってきます。
まとめ|「我が家は太陽光に向いてる?」を無料シミュレーションで確認しよう

条件を満たせば、太陽光発電は“資産”になります。発電した電気を自家消費すれば、光熱費の大幅削減や災害時の電力確保にもつながります。ただし、屋根や地域環境によっては発電効率が下がる場合もあります。
導入前に一度、無料シミュレーションで「自宅に合うかどうか」を確認してみましょう。専門スタッフが、現在の電気使用量や屋根条件をもとに最適なプランを算出し、導入メリットを具体的にお伝えします。
まずはお気軽にご相談ください。

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