「太陽光発電」といえば、住宅の屋根の上などにある青いソーラーパネルが有名です。近年では「住宅用パネル」以外にも、さまざまな研究や実用化が進められています。
今回は、世界各国が取り組む太陽光発電のユニークな開発・実用化の事例をご紹介します。
1.太陽光発電ができる道路(ソーラーロード)
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太陽光エネルギーを使うには、太陽光パネルの設置が必要です。大量の電力を作るためには、その分多くのパネル設置が求められます。
パネルを並べるなら、土地の価格が安い郊外が適しているかもしれません。しかしながら、郊外から都市部へ電力を送ると、送電している間に電力が失われていく「送電ロス」が生じます。また、太陽光パネルの設置に伴う景観の乱れも社会問題となっています。
その問題解決の糸口となるのが、太陽光発電を道路で行うというアイデアです。この取り組みはソーラーロードとも呼ばれており、アメリカやヨーロッパ各国で開発や実証実験が行われています。
ここではソーラーロードに対する取り組みを国別にご紹介します。
アメリカ
アメリカのミズーリ州では、2016年頃からソーラーロードの実証実験がスタートしました。
このミズーリ州の旧国道66号線(いわゆる「ルート66」)は、アメリカの東西を結ぶ歴史ある高速道路の1つです。建設から60年が経過し老朽化が進むルート66で、現代に合った道路システムを模索するため「ROAD TO TOMORROWプロジェクト」が立ち上がりました。このプロジェクトは、道路にソーラーパネルを埋め込み発電するという試験的な取り組みです。
道路に埋め込まれたソーラーパネルで発電された電気は、街灯や信号機、電気自動車の充電ステーションなどに使用されます。新たな道路の機能として、雪を解かすヒーターとしての役割や、ソーラーパネルに直接LEDを点け、道路の上に標識や交通情報を載せることも可能です。
実用化が進み、アメリカの高速道路を全てソーラーロードにした場合、アメリカ国内で必要な電気エネルギーはすべてまかなえるほどの電力を供給できると見込まれています。
オランダ
2014年、オランダのアムステルダムに世界初のソーラーロードが設置されました。
自転車専用道路として完成したソーラーロードは、全長約70メートル、幅3.5メートル。2014年12月~2015年6月の半年間にわたり、実証実験が行われ、延べ15万人が利用しています。
その結果、一部パネルのコーティングが剥がれるなどのトラブルはあったものの、半年間で4,700 kWhもの発電に成功。これは、2~3世帯の家庭が1年間使用する電力に匹敵します。
将来的には街灯への電力としての活用や、電気自動車への電気供給、路面から直接充電できる仕組みの確立を目指しています。
フランス
2016年12月、フランスのノルマンディー地方にあるトゥルーブルという小さな町で、ソーラーパネルでできた道路が開通しました。
既にオランダでは自転車専用道路としてのソーラーロードがありましたが、一般車両や大型車両が通行できる道路へのソーラーパネルの導入は、これが世界で初めてです。
全長は1キロメートル。2880枚の太陽光パネルが使われ、1日で約767kWh、年間280メガワットの発電が可能だと予測されていました。
しかし2019年3月、現地の担当者は「発電という観点でいえば、この実験は経済的・財政的にも失敗だったと気づいた」と語りました。
問題は事前予測の3分の1程度の電力しか発電できなかったことに加え、路面の劣化スピードの速さ、走行時の騒音問題などが挙げられます。元々あまり日照時間の多くない地域での実験だったのに加え、新たな課題が噴出した形になります。
その後は新型のパネルへと張り替え、もう少し短い区間で再挑戦すると発表しています。
ドイツ
製造分野で世界トップクラスの実績を持つドイツ。
そんなドイツのベンチャー企業が、ソーラーロードにまつわる開発を次々と手掛けています。
まず1つ目が、ドイツのソルムーブ社の製品です。
このソーラーパネルの最大の特徴は、既存の道路の上にカーペットのように敷けること。道路のメンテナンスいらずで設置・解体のコストが抑えられ、パネルを破棄する際にはリサイクルもしやすいという使い勝手の良さで、注目を集めています。
気になる年間発電量は、1平方メートルあたり約100kWh。
ドイツ西部のケルンで実施されたパイロットプロジェクトでは、全長100メートルの自転車専用の太陽光発電道路が開通しています。
さらにソルムーブは、道路を走行しながら、電気自動車が充電できるソーラー道路の実現を目指しています。ソーラー道路からケーブルを使わずに充電するには「インタラクティブ充電技術」と太陽光発電システムをうまく融合させる必要があり、実用化に向けての研究が続けられています。
もう1社がベルリンの新進気鋭のベンチャー企業、ROCSUN社の製品です。
ROCSUN社は、道路に埋め込み可能なソーラーパネル「PowerGround」を開発し、新たなクリーンエネルギーの可能性を広げています。
特筆すべきは、その頑丈さ。表面は強化ガラスで覆われているため、発電時も3.5トンまでの重量に耐えられます。また、交通量の少ないところには通常のモデルを使用し、交通量の多いところにはセラミックを使用した傷に強いモデルにするなども可能。交通量に合わせて使い分けることで、コストを削減できるメリットがあります。
さらに、感電の心配がないよう120V未満の低電圧を使用するなど、安全管理にも注力しています。
スウェーデン
スウェーデンはヨーロッパ諸国の中でも環境に対する意識が高く、2030年のCO2排出量は2010年比70%カットという目標を立てています。
中でも大きな課題となっているのが、電気自動車化が難しい長距離トラックからのCO2排出です。
長距離トラックは物流の要として欠かせない存在である一方、電気自動車への乗り換えは充電切れのリスクがあります。
この問題を解決するための施策の1つが、「電気道路システム」です。
電気道路システムとは、走りながら電気自動車の充電が可能な道路のことで、実用化されれば走行中の給電が可能なため、搭載するバッテリー容量も小さくて済みます。
また長時間の充電も不要になるため、長距離トラックのように時間の管理が難しい仕事でも、安心して運転できると予想されます。
中国
世界で初めて高速道路にソーラーロードが敷かれたのは、中国です。
2018年、中国のQilu Transportation Development Group(斉魯交通発展集団)社は、山東省の省都・済南で「太陽光で発電する高速道路」の実証試験を開始しました。
ソーラーロードはこれまでさまざまな国が取り組んでいましたが、地面で発電するソーラー高速道路は世界初だったこともあり、大きな注目が集まりました。
Qilu社のソーラーパネルは3層構造になっており、
- 透明コンクリートで中身を保護する表面
- 太陽光パネル
- 土壌などの化学物質からパネルを保護する最下層
に分かれています。
試験導入された高速道路では、発電量は年間に約100万kWhが見込まれており、事業化に向けて積極的な研究が期待されています。
日本
日本ではまだまだEV(電気自動車)のシェア率が低く、さらなる普及のための取り組みが課題です。
そんな中、相模原にあるコンビニエンスストアで面白い取り組みが行われ、注目を集めています。
セブン‐イレブンは、2018年5月に「相模原橋本台1丁目店」をオープンしました。
この店舗は、セブン‐イレブン・ジャパンが取り組む、「ひとと環境にやさしい店舗」における「環境負荷の低減」に、最も貢献している店舗です。
駐車場の約半分のスペースには路面型太陽光発電設備「WATTWAY by Colas」が設置されています。
屋上や駐車場のカーポート上にも太陽光パネルが敷かれ、リユースバッテリーの蓄電池も活用しながら、店舗の使用電力の約46%をまかなっています。
一方、東京都では2019年、ビッグサイトで舗装型の太陽光パネルの実証実験を行うと発表されました。これは、東京ビッグサイトのエントランスに「ソーラーロード」と「振動発電」を設置し、その発電機能を測定するというものです。
この取り組みに使われたのは、日本の建設大手NIPPOと、薄膜太陽電池の技術を持つMIRAI-LABOが共同開発した、太陽光発電舗装システムです。
たわみや変形に強い、薄膜シリコン型太陽電池を透明プラスチックで保護した構造になっています。
太陽光発電舗装システムについては現在も「実証検証段階であり、2024年4月22日時点で製品として販売しておりません」としており、実用化に向けて実験を開発を進めています。
まだ日本ではごく一部のコンビニの駐車場や、施設エントランスなどのみに設置されている段階で、実際の自動車道での取り組みは進んでいませんが、世界に追いつくべく技術革新が進んでいます。
2.太陽光発電EV(ソーラーカー)
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電気自動車(EV)は、アメリカや欧州を中心に飛躍的に普及が進んでいます。
一方で、EVの普及には充電ステーションの不足や、充電のための電力供給量不足など、さまざまな課題があります。
しかし、そもそも充電がいらない自動車があったとしたら——そんなまだ遠い未来だと思っていたことが、現実味を帯びてきているようです。
ここでは、オランダ、ドイツ、アメリカ、日本の4カ国が、ソーラーカーの推進に向けてどのような取り組みを行っているかをご紹介します。
オランダ
オランダのEVメーカー、ライトイヤー社から太陽光発電車が登場しました。
その名も、「Lightyear One(ライトイヤー・ワン)」。車体の外装や屋根に太陽光発電パネルを搭載しており、走行中にも自己充電することができます。
従来の充電器に接続しなくても、最大7カ月間の走行が可能。
航続距離725km、100kmあたりの消費電力は8.3kWhと、ソーラーカーとは思えないほどのスペックを誇ります。
もちろんコードを指しての充電もできるなど、利便性の高さも注目すべきポイントです。
価格は約1450万円と高額ですが、ライトイヤー社はさらに低価格なモデルも開発予定だとしています。
今後の改良に期待が寄せられる一台です。
ドイツ
2022年夏、ドイツの自動車メーカー ソノモーターズは、ソーラー発電電気自動車「サイオン(Sion)」の最終デザインを公開しました。
「サイオン」の特徴は、黒々としたボディ。実はこれは塗装ではなく、全てソーラーパネルなのだといいます。その数、なんと456枚。屋根やボンネットなどの日当たりの良い箇所だけでなく、ドアサイドもソーラーパネルで覆われています。
サイオンのソーラーパネルが発電した電気だけで走れる距離は、1週間あたり平均112km、最大で245km。
価格は2万5126ユーロ(日本円にして374万円)と推定されます。ソーラーカーをこれだけ安価に手に入れられる機会はないとあって、高い人気を集めています。
また、ソノモーターズは量産にあたり「工場の電気には再生可能エネルギーを使う」としており、CO2排出をオフセットしていく予定です。
アメリカ
今注目のアメリカのソーラーカーと言えば、「アプテラ(Aptera)」と「オーシャン」です。
「Aptera(アプテラ)」は電気自動車メーカーのアプテラ・モーターズ製で、2020年12月4日に予約販売を開始しています。
アプテラ・モーターズはもともと電気自動車(EV)のスタートアップ企業として知られていましたが、2011年に一度解散した企業です。アプテラの開発と同時に復活を果たし、再び返り咲きました。
アプテラの最大の特徴は3輪のSEV(ソーラーカー)である点です。非常に軽量で、航続距離は最長1600kmと、驚異的な性能を誇ります。
ソーラー充電のみで発電した電力では、1日72kmの走行が可能。価格も日本円にして約356万円~646万円など、通常のEVとそれほど大差のない値段であることも大きな魅力と言えるでしょう。
また、アメリカに拠点を置くフィスカーは、ソーラーパネル付き電動SUVの「オーシャン」の生産を開始しています。昨年時点で予約は6万3000台、米国向けの2グレードは2023年の生産分が完売しているなど、注目度の高さがうかがえます。
天井の部分にソーラーパネルがついており、年間最大約2400km走行するだけの電力を発電できるとのことです。
さらに、こだわりは車の内装に使われる素材にも見ることができます。
例えば、車内のインテリアのカーペットには、廃棄された漁網から作られた素材を活用。リサイクル素材をあらゆる部品に採用し、環境への配慮も徹底しています。
日本
日本のメーカーでは、トヨタが2021年10月に新型EV「bZ4X」の詳細を発表しました。
中でも特に注目を集めたのが、オプションとしてつけられたソーラーパネルの性能です。
現行のプリウスにもルーフソーラーパネルのオプションがついており、走行可能距離が年間約1058kmと謳われています。一方、「bZ4X」の走行距離は年間1800km。およそ1.8倍もの発電量を実現しています。
遠出をするには心もとないですが、近所に買い物に行く程度の電力であれば、いちいち充電する必要もなくなります。
「外に置いておくだけで、ガソリンも充電もいらない」というクルマの未来が、国内でも見え始めています。
3.ソーラーバイク

世界各国では、さまざまなソーラーカーが開発されていますが、それと同時に魅力的なソーラーバイクの開発も進んでいます。
ここでは、意外と知られていないソーラーバイクの世界をお伝えしていきます。
ギリシャ
ギリシャのSUNNYCLIST社から登場したのは、社名と同じ「SUNNYCLIST」という車種。タイなどでよく見かける「トゥクトゥク」という乗り物にそっくりな3輪の電気自動車です。
天井部分にはソーラーパネルがついており、8時間で充電が完了します。また、太陽の方向へパネルを向けることができるため、効率のよい充電が可能です。
しかし、実はこの「SUNNYCLIST」は、太陽光以外にも発電方法があります。
それは、足元にあるペダルを漕ぐことで発電するというものです。天気がいい日にはソーラーパネルで発電し、雨の日には人力で発電して内臓バッテリーへ充電することができるのです。
面白いのは別売りで「ホームエクササイズフレーム」という商品があり、それを購入すると室内でエアロバイクのようにトレーニングできるというもの。もちろん、ペダルパックの動力から内臓バッテリーに充電されるため、エクササイズついでに充電ができるのです。
ソーラーパワーだけでなく、臨機応変に人力でエネルギーを生み出せるのが、この商品の面白いところです。
日本
日本では、埼玉県上里町のHTM-Japanが、太陽光エネルギー100%で走る電動バイクを発売しています。
発売されたのは2017年7月と、かなり昔から技術的に実現できていたように思われます。しかし、バイク単体では太陽光エネルギーによる走行ができません。同社の太陽光発電システム付きカーポートと併用することで、100%再生可能エネルギーでの走行が可能になるとしており、使いどころが限定されてしまうのがデメリットです。
自動車を数台所持している地方在住の方をターゲットとし、セカンドカーやサードカーとしてのニーズを狙っているそうです。開発コンセプトも特徴的で、「遅い・ダサい・狭い」という従来のニーズの真逆をいっています。「それほど急がないので、太陽光エネルギーだけでのんびりと移動したい」という発想を前提としている、かなり尖ったソーラーバイクと言えるでしょう。
ちなみに、ソーラーバイクの話から少し脱線しますが、バイクにポーダブル式のソーラーパネルを装着して、ドライブを楽しんでいる人が近頃増えているようです。スマートフォンの充電や、キャンプなどでちょっとした明かりに使えるシーンもあり、1つ持っておくと便利かもしれません。
IKEAの取り組み
2022年12月、世界的な家具メーカーとして有名なIKEAは、太陽光発電パネルを装備した電動カーゴバイクの導入を決めました。
顧客に商品を届ける際、物流の最後の区間(ラストワンマイル)が発生してしまいます。その区間でクリーンなエネルギーを使った乗り物を使うことによって、CO2削減に貢献する狙いです。
IKEAは、サステナビリティ、アフォーダビリティ、アクセシビリティの3つを優先課題としています。
さらに2030年までに事業を拡大しつつ、バリューチェーンが排出するCO2よりも多くの温室効果ガスを削減するという目標を掲げています。
4.ソーラーパネル搭載の街灯

ソーラー街路灯の世界市場は、2030年までに157億1640万米ドルに達すると推定されています。その理由としてはスマートシティへの注目の高まりや、太陽光エネルギーへの関心などが挙げられます。
国内では、2021年3月に発売された「TERRA SERDE(テラセルデ)」という商品が注目を集めています。
「テラセルデ」は昼間のうちに太陽光で発電し、バッテリーに蓄電した電力でLED照明の灯かりを点けます。
最大の特徴は、「電源工事が不要かつメンテナンスフリー」という運用コストの低さ。
飛び出したソーラーパネルや電池コントロールボックスもなく、ソーラーパネルは垂直に設置されているため、雪や落ち葉による影響を受けにくいのも「テラセルデ」のメリットと言えます。
シンプルなポール型街灯だからこそ、Wi-Fiルーターや監視カメラ、気象センサーなどさまざまな機能を組み合わせることも可能。今後はただの街灯が、さまざまな機能を搭載した独立電源型フィールドサーバーへと変化する日が来るかもしれません。
5.駅の屋根上に太陽光パネルを設置

東京都を中心に、駅の屋根上への太陽光パネルの設置が進んでいます。
2015年3月、千葉県船橋市の西船橋駅では東京メトロ東西線ホームの改修を実施。この時、屋根にシャープ製の単結晶シリコン型の太陽光パネルを導入しました。
東京メトロでは、2012年から東西線の地上駅に太陽光パネルを設置する取り組みを行っており、これで8駅目。
該当する8駅の年間発電量は、約109万kWhと見込まれています。これは南砂町駅から西船橋駅で消費する付帯用電力の約12%に相当し、年間508トンのCO2削減に貢献しています。
また、東京メトロでは2021年5月より、千代田線北綾瀬駅の太陽光発電システムを増設しました。東西線の地上駅に先立って、2008年9月から北綾瀬駅の屋根には太陽光パネルが設置されており、エレベーターなどの電力に使用されていました。
ホームの延伸対応に伴い、延伸された屋根の上にも太陽光パネルを増設した形になります。こうした取り組みを経て、発電量は以前の1.6倍まで増強されました。
このほか、日比谷線、丸ノ内線の地上駅でも太陽光発電設備の導入が進んでおり、全て合わせると、年間584.8トンのCO2排出量削減効果があると試算されています。
6.発電する窓

アメリカに拠点を置くユビキタスエナジー社は、透過性の高い太陽光パネルをオフィスビルなどの窓に使う技術を開発しました。
人間の目には見えない、太陽光線の一部の波長のみを捉えることで、窓の透明性を保ちながら発電することができるというものです。
充電量は太陽光パネルの3分の1程度になるものの、住宅や商業施設など、窓のあるところであればどこでも導入できるのがメリットです。
日本でも、同社の製品を建物の窓として使用する実証実験が行われました。
実験では発電性能や、省エネ性能の比較がされ、有効性が確認されればビルなどへの導入や、将来の電力供給源としての検討を進めていく方針です。
7.休廃校のプールに太陽光パネルを設置

太陽光発電は、屋根の上に設置するタイプや、何か物の上に張り付けるなどの形が一般的ですが、太陽光発電パネルをプールの水面上に浮かべるフロートなどを用いて、休廃校のプールを水上発電所にする動きも広まっています。
フロートを開発したのは、電子機器などを手掛けるエルム(鹿児島県南さつま市)。少子化などの影響により休廃校が進む地方の公立校で、再生可能エネルギー事業という活用法を見つけ出した立役者です。
休廃校された学校は、建屋は福祉施設や公共施設としての再活用が進んでいます。しかし、プールに関しては活用法がなく、埋め立てて駐車場やテニスコートにするにも莫大な予算がかかります。
370ワットのパネルを160枚設置すると、年間発電量は6万1235kWhを見込めます。こうした電力は電力会社へ買電するほか、将来的には蓄電池を併設し、地域の非常用電源としての活用も見込まれています。
まとめ

この記事では太陽光発電のさまざまな導入事例をご紹介してきました。
これまで「太陽光発電」といえば、住宅用設備や災害用のバッテリーなどしか知らなかった方も多いかもしれません。
しかし、世界中で技術の開発が進み、既に私たちの身近なところにも太陽光発電は普及し始めているのです。
この記事をきっかけに、太陽光発電が秘めている可能性を感じ、クリーンエネルギーへの関心を強めていただけたら幸いです。